ベータ研究所代表の川上泰弘と言います。どうぞよろしくお願いいたします。
これまでに、投資関連の経験は国内外で15年強あります。世界銀行グループの一機関である国際金融公社(International Finance Corporation, IFC)のワシントンDC本部にて上級財務担当官として勤務したほか、アルジェブリス・インベストメンツ、ピムコジャパン、シティバンク証券、ゴールドマン・サックス証券などで勤務をしてきました。定量分析(クオンツ)/金融商品開発/機関投資家営業/トレーディングなどに従事してきました。2020年9月独立し、ベータ研究所を設立しました。今後、皆様の資産運用の一助になればと思い、運用に関する情報発信をさせて頂きます。少しでもお役に立てれば幸いです。
資産運用業界ではよく、「先行き不透明感が高まっているので、難しい投資環境である」という表現が使われますが、投資は大抵不透明感がある中で行うものです。投資環境は不透明であるという前提で、博打ではなく投資をするにはどうしたらよいのかという発想が必要だと思います。
法的なことで何か困ったら多くの方々は弁護士に相談されると思います。体の具合が悪ければお医者さんにご相談されるかと思います。それではお金の運用の場合、どうされますか。
楽天証券やSBI証券などのオンライン証券会社を活用することで、投資が身近になり、ご自身で簡単に売買できるようになってきました。ですので、ご自身で投資するという方もいらっしゃると思います。ただ、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、オルタナティブ(前者4つに収まらないような投資対象)などを考えると、その銘柄選択はとてつもない数からの絞り込みになり、宝探しのような困難さを伴います。
これまで資産運用業(バイサイド)と証券業(セルサイド)の両方を見てきた私のおすすめは、お金の運用の専門家であるポートフォリオ・マネージャーに運用をしてもらうことです。投資信託(ファンド)を購入することで、そのようなプロによる運用にお金を託すことができます。ただ、ここでもファンドの運用には色々な種類やスタイルがあります。プロに任せるからといって、豪華一点買いはお勧めしません。ファンドの選択を皆さんと一緒にやってくれる専門家と共に、ご自身の許容できるリスクと、運用目標を明確化して、「適切なファンドの組み合わせ」を作り上げ、継続的にモニターしていくことが重要だと思います。この投資のソムリエのような人として、日本にはIFA (Independent Financial Advisor) がいます。
ご参考までに、投資先進国のアメリカではどうでしょうか。米国のIFA(アメリカでは単にFinancial Advisorと呼ばれます。)は、その専門性故に、医者や弁護士と同等の高い地位があるともいわれています。CFA(米国証券アナリスト)を保有するFinancial Advisorがその専門性を活用して、活躍し、ランキングで競争をしています。とてもアメリカらしいと思います。そして、彼らが持っているCFAは金融や投資の分野においてグローバルに認知されている資格です。(日本ではCFA資格保有者数が1300人ほどしかいなく、残念ながらあまり知られていませんが、)グローバルな金融業界においては、非常に高い権威性を誇る資格になっています。このようなプロたちが投資のソムリエをしています。
話を日本に戻しますと、大変興味深いことにIFAへの運用に関する相談は原則、無料です。少し難しくなりますが、IFAは証券会社のために金融商品仲介業者として金融商品取引の媒介をすることで証券会社から業務委託報酬を受け取っており、原則、投資家から直接お金を頂戴しません。なお、一部のIFAは投資助言業のライセンスもとって、投資助言を有料にしていることもあります。まとめると、投資助言業の業者であれば投資助言は有料の可能性がある一方、単に金融商品仲介業者であれば、原則、投資助言は無料といえます。
運用のプロであるIFA(アドバイスは無料)と一緒に、二人三脚で適切な「ファンドの組み合わせ」を構築し、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルをグルグル回し続けることこそ、理想的な投資プロセスであり、中長期的な資産形成に重要なってくると考えています。
こうなってくると、投資から博打感はほとんどなくなり、マネジメントのプロセスそのものになっています。ご参考になれば幸いです。
なお、私はベータ研究所の代表ですが、証券外務員登録がされたIFAでもあります。CFAとFRM(リスク管理の資格)を持っており、ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社(https://peregrine.co.jp/)で、楽天証券ならびにSBI証券のために金融商品取引の媒介をすることができます。是非気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
今後、不定期ではありますが、投資に関するお話をご紹介していきます。お楽しみに。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
(川上泰弘, CFA, FRM)